元非正規社員が40歳で年収800万円を達成した成功体験

30歳で年収150万円の元非正規社員が40歳で年収800万円の正社員になった成功体験を語ります

会社を辞める日

若い頃はあまり意識しなかったが、新卒で入社した会社、次に働いた会社を辞める日は、本当に悲しい気持ちになった。

 

いずれの会社も、社員証がなければ入ることすらできない会社なので、一度、社員証を返却してしまえば、二度と会社に来ることはない。

 

会社を辞める日にやることは一つ。

 

午前中はデータの移し替えや他の社員への引き継ぎ、午後は机やパソコンの返却などだ。

 

パソコンを閉じてしまうと、もうやることがないので、椅子に座ってひたすら定時になる時間を待つ。

 

定時になったら、周りの社員に挨拶をして、最後の別れを告げる。

 

契約社員だった会社を退職したときは、建物の前まで職場のみんなが見送りにきた。

 

そのうちの一人(20代後半の男)が、手を振ったときに、泣き始めてしまった。

 

そのまま振り返ることもせず、工場の門まで行き、社員証をリーダー社員に返却して、握手をして別れた。

同期入社の社員との別れ

契約社員時代、同期入社の人が2名いた。

 

同じ日に入社した契約社員で、いずれも40代の方だった。

 

年齢は違えど、給料は全く同じだった。

 

配属部署は違ったが、ときどき話をした。

 

1人の人はメーカーや派遣会社の経験がある人で、何らかの理由で求職をしたのちに、転職をしたらしい。

 

その人とは紹介会社が同じだったこともあり、親しみをもっていた。

 

働き始めて2年が経過する直前のある日、エレベーターで一緒になったので、「これからどうするのですか?」と聞いてみたら、「まだ決まっていない」とのこと。

 

自分は半年間の再雇用となっていたので、非常に心苦しい状態だった。

 

去っていく当日、挨拶をする機会も逃してしまったのが、悔やまれる。

高齢者の雇用対策が仇

契約社員派遣社員と2度も雇止めを経験した自分は、非正規、派遣社員という働き方にリスクがあることを身をもって知った。

 

雇止めと聞くと、「本人の能力がないから」と思う人も多いかもしれないが、実際にはそうとも言えない。

 

会社という組織には残さなければならない高齢社員がいる。

 

近年の高齢者の雇用対策もあり、若い社員の雇用よりも、年齢の高い社員の雇用を重視するようになってしまった。

 

人員を減らさなければならない場合、普通に考えると、若い人を残して、再雇用の人を減らすはずだが、なぜかそうならない。

 

自分のいた会社では、30代の派遣社員や自分のような契約社員を雇止めにし、再雇用の社員の雇用を継続させていた。

 

3年、5年の近い未来を見据えた対策と考えられるが、10年、20年という先を見据えた対策にはなっていないのは明らかだ。

 

上記を身をもって経験した自分が言いたい。

 

国は雇用対策の考え方を改めてほしい。

 

株がメルトダウン

何となく、使わないお金があったので、株をやりたくなった。

 

しかし、日本株は株価が高くて手がでない。

 

当時、未来のソニー、ホンダの株が安く買えると話題になっていたのが、中国株だった。

 

初心者にはリスクだったが、少額だったのでなくなってもいいという感じで取引をしてた。

 

途中までは順調に利益を出していた。

 

ところが、アジアの景気が急降下し、株価も急落した。

 

損切という考え方を知らなった自分は、そのまま持ち続け、一気に投資した資金が半分以下になってしまった。

 

1年ほど経過したのち、株価もだいぶ回復して、取引を再開するようになった。

 

そこで、何とか利益を出せるようになって、資金を作ったのが、中古ワンルームマンションだった。

 

年収が100万円下がったら

契約社員時代は、年収が500万円を超え、新車をローンで購入したりと、非正規ながら結構豊かな生活をしていた。

 

雇止めになり、派遣会社に再就職し、年収が100万円落ちた。

 

どんなに働いても収入が上がるわけでもないので、貯金を切り崩したり、節約したりして生活を送っていた。

 

当時、貯金は200万円を超えていたが、それがどんどん減っていた。

 

住宅ローン、車のローンと毎月が赤字だったからだ。

 

補てんする資金は不動産投資で得たお金だった。

 

それでも資産を目減りさせたくないので、ひたすら節約をした。

 

車はローンをあと2年残したまま売却、節約するために数少ない楽しみだった自販機で飲料を買うのをやめた。

 

そのころの気持ち、節約術というのは、その後も保っている。

中古ワンルームマンションで始めた不動産投資

契約社員時代に貯めていたお金を不動産投資に回した。

 

不動産投資といっても、マンション一棟を買えるわけでもないので、中古のワンルームマンションを購入したのだ。

 

後に、銀行にお金を置いておくよりはと思って始めた、この投資が生活を助けることにつながるとは思いもしなかった。

 

投資した金額は500万円程度。

 

現金で買える中古ワンルームマンションを2戸購入し、1戸を不動産担保ローンで購入した。

 

不動産担保ローンの利息は4.8%と高いので、持っていることに利益はないのだが、空室リスクを分散できるのと、15年で完済した後は純粋に利益のみが積みあがるとにらんだのだ。

 

2戸についてはサブリース契約も結び、リスクを最小化した。

 

正直、この投資は成功だった。

 

実利回りは10%前後だったが、毎月確実に手取り5万円入ってくるのは大きい。

9年目の年収

新たな派遣先の職場で9年目の勤務を終えた。

 

年収は460万円と、派遣会社の昇給がすくないので、ほとんど据え置きだった。

 

この数字を見ると、最初の老舗メーカーを辞めなければよかったと思ってしまう。

 

まさに空白の9年間。

 

でも、経験も知識も当時の非ではない。そして、自信も。

 

40歳を目前にして、自分の人生について考えることが多くなった。